➀たくさんの施術法

②相手があっての施術業という事

③人の考えや思いは変わるという事

 

➀今までい経験した事のない様な症状や訴えに対し、改善向けて頭をひねって試行錯誤していく事の積み重ねが、新たな考え方、新たな改善法、そして今まで行っていなかった新たな施術法を生み出します。参考書や今までの自分の経験だけではどうにもならない事でも、目の前の患者さんの体が良くなる為にはどうしたら良いか?という事を新たに考えることは、ただ本を読んでいるだけでは出てきません。何か悩みを抱えてみえる患者さんがいらっしゃるからこそ経験させて頂き、学ばせて頂き、いままで思いつきもしなかった新たな施術法が生み出されることがよくあります。今以上の技術向上のきっかけを患者さんから教えてもらったことは数多くあります。

 

②痛みや症状も人によって違いますが、優先順位や、価値観、性格、も人それぞれですので、言葉や伝え方もその患者さんそれぞれの方によって変わってきます。そして生身の体の様子に合わせて施術を行いますので、昨日と今日では手順や内容が変わります。しかし、1回良い反応が出ると似た症状を持った患者さんがみえた時に、やり方・効果を出す ことが先行してしまい、患者さん自身の様子や気持ちを配慮する以前に自分のやり方が先走って「とにかく結果を出す」ことに執着してしまい、その時は「よし!良くなった!」と自己満足していて、うかれており、しかし、患者さんが本当に「良い」と思っているとか「どんな風に感じているんだろう」ということを気遣うことさえする意識もなく、やがて「そういえば、あれからあの人来ていないな」と、かなりしばらくたってから初めて気づくことがありました。自分だけの独りよがりの施術は相手にとっては全く響くことなく「不快」です。ついついそのような事を気づかぬうちにしてしまっている原因は、自分中心に物事を捉え、自分の欲があってそれを満たす事しか見えていない事です。「相手がいるから施術をする、自分だけでは成り立たない」ということを、とても強く教えてくださったのは、もう2度と来なくなってしまった患者さんです。

 

③患者さんによっては、はじめのころと終わりころでは、言う言葉も、顔つきも、目標や求めるものも、変わることはあります。また、私達にとって、痛みが改善する。「楽になった!」という言葉を言ってもらえると、とても嬉しい仕事です。ただ、結果が出る様になると自分を過信したり、気づかぬうちにうぬぼれた言動になってくることがあります。変化するのは人の心。患者さんもですが、技術を提供する施術者側にも常にあることです。そんな時こそ、初心を忘れず。ただ、気づかずに調子に乗っている時は、そんなことさえ気づくことはできません。患者さんからの目に見えたクレームや、反応があってはじめて気づくことがほとんどです。

 

よく、患者さんに、痛みの予防として、「痛みが無い時に」「余裕がある時にこそ、この体操やってみてくださいね」とお伝えする事があります。それをそのまま自分に置き換えると、「失敗する前に」、「うまくいっていると思っている時こそ」、初心を忘れず、「目の前の人に喜んでもらう」という事を心掛けようと最近思うようになりました。そして、そのことに気付かせてくれたのは、目の前の患者さんです。

患者さんから教えてもらったこと。➀たくさんの施術法。②相手があっての施術業ということ。③人の考えや思いは変わるということ。それと、④常に、「目の前の人に喜んでもらう」という気持ち=「初心を忘れてはいけない」という事です。

「何のためにやっているのか」

人と関わる仕事をさせてもらっている限り、ずっと、そこを見失わずにやって行こうと思います。

2019年8月31日